令和5年度 第7回マッチング交流会
開催報告
講演Ⅰ「10t/日規模CO2回収装置について」
大陽日酸株式会社
工業ガスユニット
カーボンニュートラルビジネスプロジェクト
第一チームリーダー 藤田 公 氏
カーボンリサイクルのプロセスは、排出されたCO2を分離・回収することから始まります。しかし、大量のCO2排出源から大量に回収しても、用途がなければリサイクルはできません。大陽日酸株式会社では、現状の工業ガスとしてのCO2使用量を踏まえ、石灰焼成プロセスで生じるCO2を10t/day規模で回収し、溶接やドライアイスでの直接利用、セメントでの固定化や土壌改良等での水素を伴わない利用に向けてのサプライチェーンも開拓しています。
今回は、こうした分離・回収したCO2の用途や、ゼオライト系吸着材を用いて熱再生を伴わない加圧・真空引での濃縮回収技術であるPSA方式のご紹介を頂きました。
講演Ⅱ「ケミカルルーピングを活用した高収率CO2→CO変換技術」
積水化学工業株式会社
R&Dセンター 先進技術研究所
グリーンケミストリープロジェクト
プロジェクトヘッド 中間 友樹 氏
分離・回収したCO2を水素と反応させて一酸化炭素(CO)を得る逆シフト反応は、CO2が安定物質でエネルギー準位が低いことと化学平衡制約のためにCOの収率が低いことが指摘されています。積水化学工業株式会社では、金属酸化物を利用するケミカルルーピング反応を用いることでCO収率を90%以上に高め、様々な排ガスに対応できる不純物への高い触媒耐性も備えることに成功しました。
今回は、この技術を鉄鋼プロセスで用いるためのアルセロールミタルとの共同研究開発や、2030年でのCO2供給量として100t/day以上といったスケールアップ目標についてご説明を頂きました。
講演Ⅲ「カーボンニュートラルに向けたNittoネガティブエミッション技術とその取組み」
日東電工株式会社
研究開発本部
サステナブル技術研究センター
第1グループ グループ長 福村 卓哉 氏
日東電工株式会社
全社技術部門 新規事業本部
第2マーケティング部
第2グループ長 廣 敦 氏
現状、CO2分離・回収技術ではアミン法などの液体分離が主流ですが、分離・回収の容易性や安全性、コスト低減を目的として気体分離に注目が集まっています。日東電工株式会社では、豊富な技術蓄積を持つ分離膜技術をベースに、CO2との高い親和性を持つ高分子膜設計と、低圧損・高集積を両立する流路設計によるスパイラル型のCO2分離膜を開発しました。
今回は、このガス分離膜エレメントを用いて、同社の滋賀事業所で実施しているボイラー排ガスからのCO2分離・濃縮実証試験や、この技術を有利に適用できる排ガス組成・排出量規模、バリューチェーン、用途などについてご説明を頂きました。
交流会開催内容
令和5年度 第7回マッチング交流会を開催いたします。
今回は、大陽日酸株式会社、積水化学工業株式会社、日東電工株式会社の3社から、CO2の回収~使用をテーマとした各社の取組をご紹介いただきます。
カーボンリサイクルの実用化技術を学べる貴重な機会となっておりますので、この機会にぜひご参加ください!
なお、会員以外の方も参加可能ですので、カーボンリサイクル・カーボンニュートラルにご関心のある皆様のご参加をお待ちしております(同一所属先からの参加者数に制限はありません)。
講演Ⅰ 15:05~15:30(25分)
「10t/日規模CO2回収装置について」
大陽日酸株式会社
工業ガスユニット カーボンニュートラルビジネスプロジェクト
第一チームリーダー 藤田 公 氏
概要資料はこちら
講演Ⅱ 15:30~15:55(25分)
「ケミカルルーピングを活用した高収率CO2→CO変換技術」
積水化学工業株式会社
R&Dセンター 先進技術研究所 グリーンケミストリープロジェクト
プロジェクトヘッド 中間 友樹 氏
概要資料はこちら
講演Ⅲ 15:55~16:20(25分)
「カーボンニュートラルに向けたNittoネガティブエミッション技術とその取組み」
日東電工株式会社
研究開発本部 サステナブル技術研究センター
第1グループ グループ長 福村 卓哉 氏
概要資料はこちら
総括・事務連絡など 16:20~16:30
開催日時 |
2024年1月12日(金)15:00~16:30 |
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開催方法 |
オンライン |
費用 |
無料 |
人数 |
- |
参加対象 |
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申し込み締切 |
2023年12月27日(水)17:00 |
備考 |
申込後、前日までに申し込みされたメールアドレスに参加URLをお送りします。 ※開催方法はオンライン(Zoom)となります。 |
受付は終了しました