広島大学附属福山中学校の2年生を対象としたカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
将来のカーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、広島大学附属福山中学校の2年生9名を対象に、カーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
●開催日 2026年6月16日(火)12:00~12:50
●開催場所 広島大学附属福山中学校
■授業風景
大成建設株式会社様にご登壇いただき、コンクリートをテーマにご講演いただきました。その背景として、地球温暖化やカーボンニュートラルについても解説いただき、生徒はメモを取りながら熱心に耳を傾けていました。
はじめに、広島県から、二酸化炭素を資源として捉え、生物や燃料、化学品、鉱物等様々な形に変化しながら、自然界や産業活動の中で、持続的に循環する「カーボンリサイクル」の考え方について説明しました。その中で、広島県内の研究開発事例に触れ、大成建設株式会社様のカーボンリサイクル技術を活用したコンクリートで製作されたベンチが、県内に設置されていることを紹介しました。
続いて、大成建設株式会社様より、カーボンリサイクル技術を活用したコンクリートの開発に至った背景である、地球温暖化の現状をお話しいただきました。気温上昇に伴う自然環境への影響だけではなく、インフラへの損害や、農業・漁業の生産性低下、医療費や保険料の増加など、産業や経済を含め、多岐にわたる分野で影響が生じることを説明しました。
地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量について、建設業では直接的な排出量よりも間接的な排出量が多く、建築物や土木構造物の建設の過程で排出されるだけでなく、資材の製造や竣工後のガスや電気の利用、メンテナンスや解体に至るまで二酸化炭素の排出が続くことから、建築物等のライフサイクル全体における二酸化炭素の排出を考慮する必要があることを説明いただきました。
なかでも、建設事業に欠かせないコンクリートは、世界で最も広く使用されている人工材料であり、原材料の一つであるセメントを製造する際には大量の二酸化炭素が排出されていることを示しました。
そのうえで、大成建設株式会社様が開発した、カーボンリサイクル技術を活用したコンクリートは、排気ガスや大気中の二酸化炭素とカルシウムを反応させて製造した炭酸カルシウムを、製鉄所の副産物である高炉スラグと共にセメントの代わりに混ぜ合わせて製造することで、カーボンネガティブを達成可能であると解説いただきました。従来のコンクリート製造設備で製造可能であることに加え、従来のコンクリートと同等の強度、施工性を発揮できるといった特徴や、全国各地での実装事例をご紹介いただきました。
最後に、将来的にカーボンニュートラルを達成するためには、カーボンリサイクル技術を活用したコンクリートのような低炭素型材料の開発・利用、省エネや創エネ性能の高い建物の設計・施工といった二酸化炭素排出量削減への取り組みを行うことが非常に重要であることを説明いただき、それらを総合的に組み合わせた建物の建設・供用も進んでいると知った生徒が、近未来の技術に目を輝かせている姿が印象的でした。
質疑応答の時間では、材料の炭酸カルシウムに関する鋭い質問があったほか、授業後も積極的に質問をしている生徒の姿から、高い関心が伺えました。
特別授業を通して、生徒からは「カーボンリサイクルという言葉を初めて知り、製造するほど二酸化炭素の排出を減らすことのできるコンクリートに感心した」「二酸化炭素の再利用や、作る過程で二酸化炭素の排出を抑えるように材料から開発するなど、たくさんの工夫があり驚いた」との感想がありました。
■まとめ
生徒に対し、カーボンニュートラルの実現に向けた手段の一つにカーボンリサイクルという技術があることや、その重要性を伝える貴重な機会となりました。二酸化炭素の利用価値について深く考察していた生徒の姿や、前向きな意見・感想が寄せられたことから、次世代教育の重要性を改めて実感いたしました。こうした、将来的なカーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う次世代との交流にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ事務局までご相談ください!
<協力>
・大成建設株式会社




