広島県立廿日市高等学校の2年生を対象としたカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
将来的な、カーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、広島県立廿日市高等学校の2年生約280名を対象に、カーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
●開催日 2026年5月20日(水)13:25~15:15
●開催場所 広島県立廿日市高等学校
■授業風景
ツネイシカムテックス株式会社様、中国高圧コンクリート工業株式会社様にご登壇いただき、カーボンニュートラルの実現を目指す背景や、二酸化炭素を資源として活用するカーボンリサイクル技術について、具体的な事例を交えながらお話しいただきました。
はじめに広島県から、地球温暖化の現状とカーボンリサイクルの重要性について説明しました。グラフや表を用いて地球温暖化の具体的な進行状況を視覚的に示し、持続可能な社会を築くためには、二酸化炭素の排出量と森林等による吸収量のバランスを均衡にする「カーボンニュートラル」が不可欠であると強調しました。そして、その実現に向けた注目技術であるカーボンリサイクルについて、広島県が全国に先駆けて推進していることを紹介しました。
続いて、ツネイシカムテックス株式会社様より、廃棄物処理の際のエネルギーを利用して発電し水素を製造する取組や、工場の排気ガスを活用しフェンス型水槽を用いた微細藻類の培養研究などをご紹介いただきました。特に、燃料やサプリメントの原料などの幅広い用途があることから微細藻類に注目しており、将来的に自社敷地や工業団地の外周を囲う形で培養槽を設置し、地域と一体となって藻類培養を行う構想をお話しいただきました。
最後に、中国高圧コンクリート工業株式会社様からは、石炭灰や電柱廃材などの廃棄物を、マイクロ波で焼結させる際に二酸化炭素を吸収させて固定化し、軽量で透水性の高い土木材料(緑化基盤材や軽量盛土材など)として再利用する技術や、工場の排気ガスに含まれるCO2を吸収させて炭酸カルシウムを生成し、道路舗装材などに有効活用する技術などの研究開発事例についてご紹介いただきました。カーボンリサイクル等の新しい技術開発に挑戦することが企業成長につながると共に、環境問題に対して社会貢献できるという点でも、カーボンニュートラルに関する取組が重要であることをお話しいただきました。
■グループワーク
今回の特別授業では、生徒に対して「2050年の未来で、広島県民であるみなさんは、環境に対してどのような考え方をもち、どのような暮らしをしているでしょうか?」と問いかけ、授業の冒頭と終わりにグループワークを実施しました。
講演を聞く前は、技術の発展という面から、地球温暖化を解決するための新しい技術や製品が開発されることに期待する意見がある一方で、気候変動による影響がそれを上回り暮らしにくくなると考える意見が目立ちました。
その後、講演を通して企業の具体的な技術や取組に触れた後は、二酸化炭素を資源として利活用するカーボンリサイクル技術の普及により、今より暮らしやすくなったり、地球温暖化の進行が緩やかになったりするのではないかと期待する意見が多く見られました。一方で、カーボンニュートラルの達成については、新技術は社会実装に時間がかかることや、2050年までに時間的余裕がないことから、厳しい意見も多く、一人ひとりがグループワークのテーマに向き合い冷静に受け止めて議論している姿が印象的でした。
まとめとして、ツネイシカムテックス株式会社様、中国高圧コンクリート株式会社様から、それぞれが目指す2050年の未来ということで発表いただきました。カーボンニュートラルの達成に向けての技術開発や地域・行政との連携が不可欠であり、中でも現役世代として将来を担うことになる高校生の力が重要であり、みんなで連携して取り組んでいきたいと伝え、生徒に対して熱いメッセージを送りました。
生徒からは、それぞれの企業がカーボンリサイクルで未来を良くしようとしていることを初めて知り、地球温暖化の進行を食い止める技術としての期待を感じたという意見も複数あり、カーボンリサイクル技術を「自分たちの未来をつくるもの」として捉える貴重な機会となりました。
特別授業を通して、生徒からは「二酸化炭素も大切な資源として再利用できるということ、排出量を減らすだけでなく、排出してしまったあとの取組も、それぞれの企業で責任をもって取り組んでいることを学んだ」「今まで、二酸化炭素は全て害だと思っていたが、カーボンリサイクルを知ることで、二酸化炭素を資源として活用するという新たな視点をもつことができた」「企業の方々が二酸化炭素の活用した様々な取組をしていて、将来就職したらカーボンニュートラルに関係するような業務に携わるかもしれないと感じ、ワクワクした」との感想がありました。
■まとめ
生徒に対し、カーボンニュートラルの実現に向けた手段の一つにカーボンリサイクルという技術があることや、その重要性を伝える貴重な機会となりました。二酸化炭素の利用価値について深く考察していた生徒の姿や、前向きな意見・感想が寄せられたことから、次世代教育の重要性を改めて実感いたしました。こうした、将来的なカーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う次世代との交流にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ事務局までご相談ください!
<協力>
ツネイシカムテックス株式会社
中国高圧コンクリート工業株式会社





