広島大学附属高等学校の1年生を対象としたカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
将来的な、カーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、広島大学附属高等学校の1年生約200名を対象に、カーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
●開催日 2026年5月1日(金)11:45~12:35
●開催場所 広島大学附属高等学校
■授業風景
地球温暖化と二酸化炭素の関係性や、地球における二酸化炭素の歴史や役割や、カーボンニュートラルの実現に向けて、二酸化炭素を資源ととらえ、回収し、利用する「カーボンリサイクル」を推進する重要性について学びました。
はじめに、カーボンリサイクル技術は、地球温暖化の進行を抑えカーボンニュートラルを達成するために必要な先端技術であることを説明し、現在どの程度地球温暖化が進行しているかを様々な資料やグラフ等を用いて学びました。生徒たちはメモを取りながら熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。
そのうえで、二酸化炭素は本来、生物が活動するために必要な酸素の生成に不可欠で、二酸化炭素の排出量と森林等による吸収量のバランスを均衡にしてカーボンニュートラルを実現させることが持続可能な社会の実現に必要であると学びました。
また、同時に二酸化炭素を分離回収し、利用することの重要性や、実際に広島県内外で取り組まれているカーボンリサイクルの研究事例などから、広島県が全国に先駆けて取り組んでいるカーボンリサイクルについて学びました。
生徒からは、「二酸化炭素に対して不用品のイメージを持っていて、なるべく排出量を減らしたり、どこかに貯めておくことしかできないと考えていたが、資源として、直接利用や化学品の原料として活用できることが印象に残った」「二酸化炭素をリサイクルするという新しい考えを知り、多角的な視点で物事を見ると新たな地球問題解決方法を発見できると感じた」といった声が聞かれ、これまでの二酸化炭素へのイメージが大きく変わり驚いている様子でした。
最後の質疑応答の時間では、授業内で扱ったある研究に対し、生徒から「二酸化炭素を反応させることで有益な製品を作れることは理解できたが、その過程で副産物として生成される化合物について、使い道は定まっているのか」と鋭い質問がありました。
これに対して、県から、化合物の使い道は探索中だと示したうえで、カーボンリサイクル技術を使った製品が社会の中で実際に見られるようになるには、市場価格に見合ったコストに抑えることや、プロセス全体のサプライチェーンを構成する中で多くの課題があることを説明しました。
カーボンリサイクル研究の各内容やカーボンリサイクル自体の意義について、生徒の中で深く考察している姿が印象的でした。
特別授業を通して、生徒からは「二酸化炭素の排出量が多い国のほとんどは先進国で、工業化が進んでいるからだと分かった。一方で、環境への取組を優先して人間の暮らしが豊かではなくなると持続可能とは言えないため、そのバランスが難しいと感じた」「空気中の二酸化炭素を減らすために、カーボンリサイクルという方法があることが分かった。一方で、電力需要の高まり等で2050年までにカーボンニュートラルを達成することが本当に可能なのか疑念が残るため、二酸化炭素の排出される量を減らすことも、改めて大事だと感じた」「実際に二酸化炭素を活用するには、エネルギーやコストの問題もあると聞いて、まだ課題はあると感じたが、これからの技術としてさらに注目されそうだと思った」との感想がありました。
■まとめ
生徒に対し、カーボンニュートラルの実現に向けた手段の一つにカーボンリサイクルという技術があることや、その重要性を伝える貴重な機会となりました。授業の終わりに多くの質問や意見をいただき、二酸化炭素の利用価値について深く考察していた姿や、前向きな意見や感想が寄せられたことから、次世代教育の重要性を改めて実感いたしました。こうした、将来的なカーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う次世代との交流にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ事務局までご相談ください!




