令和7年度 第4回マッチング交流会
開催報告
講演Ⅰ「ガス業界における2050年に向けた取り組み及び中国地域におけるガスのカーボンニュートラル化シナリオ」
広島ガス株式会社
経営企画部
専任部長 伊藤 信夫 氏
国内外でカーボンニュートラルを目指す動きが広がる中で、日本ガス協会は、都市ガス業界が目指す2050年の未来像を示した「ガスビジョン2050」と、その実現のため2030年までの具体的な取り組みを示した「アクションプラン2030」を策定し、本年6月3日に発表しました。また、昨年度、中国地域カーボンニュートラル推進協議会の「ガス体エネルギー分科会」は、中国地域におけるガスのカーボンニュートラル化シナリオについて、地域特性を踏まえたインフラ(ガス供給設備)の整備とe-methaneのサプライチェーン構築に関する課題の整理、そしてその実現に向けた企業間連携による原料調達・製造と、石炭・石油から天然ガス・LPガスへの燃料転換に対する設備投資支援の拡充の重要性を発表しました。
この講演では、ガスビジョン2050、アクションプラン2030をご説明頂いたうえで、中国地域におけるガスのカーボンニュートラル化シナリオについてご説明頂きました。
講演Ⅱ「二酸化炭素からのメタン合成」
広島大学 自然科学研究支援開発センター
特命教授 斉間 等 氏
日本にとって、天然ガスは国内エネルギー消費の20%強(約4,000PJ)を占め、その用途は発電向けが約6割を占めるなど重要なエネルギーとなっています。また、同じガス体エネルギーの水素と比較しても発熱量や爆発範囲など燃料としての取扱に優位性があり、供給インフラが整備されている点も強みです。しかし、天然ガスは化石燃料であり、生産・使用時に温暖化ガスを排出し、その調達も98%近くを輸入に頼っている現状にあります。
今回のご発表では、二酸化炭素からメタンを合成するメタネーション技術で、水素源をアンモニアとすることで、反応システムの制御を容易にし、さらにエネルギー投入を不要にする「アンモニアメタネーション」についてご説明を頂きました。この技術は低温・加圧で反応が促進されるため、低温でも高活性なアンモニア分解触媒が必要となり、その課題は克服されつつあることから、今後に社会普及が進めば、既に大量調達・流通インフラが整っているアンモニアと二酸化炭素を用いたメタン合成が可能となり、ガス体エネルギーのカーボンニュートラルに大きく貢献するものと期待されています。
交流会開催内容
令和7年度 第4回マッチング交流会を開催いたします。
今回は、講演Ⅰでは広島ガス株式会社より「ガス業界における2050年に向けた取り組み及び中国地域におけるガスのカーボンニュートラル化シナリオ」について、講演Ⅱでは広島大学・斉間特命教授より「二酸化炭素からのメタン合成」について、ご発表をいただきます。
エネルギーや化学原料として広く普及しているガスにも、化石燃料からの脱却やカーボンニュートラル化が求められるようになっています。今回は、そうした背景の中で、ガス業界での取組やアカデミアでの研究について情報収集ができる貴重な機会となっておりますので、ぜひご参加ください!
なお、会員以外の方も参加可能ですので、カーボンリサイクル・カーボンニュートラルにご関心のある皆様のご参加をお待ちしております(同一所属先からの参加者数に制限はありません)。
講演Ⅰ 15:05~15:35(30分)
「ガス業界における2050年に向けた取り組み及び中国地域におけるガスのカーボンニュートラル化シナリオ」
広島ガス株式会社
経営企画部
専任部長 伊藤 信夫 氏
参考資料はこちら
①ガスビジョン2050
講演Ⅱ 15:35~16:05(30分)
「二酸化炭素からのメタン合成」
広島大学自然科学研究支援開発センター
特命教授 斉間 等 氏
概要資料はこちら
総括・事務連絡など 16:05~16:15(10分)
開催日時 |
2025年9月5日(金)15:00~16:15 |
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開催方法 |
オンライン |
費用 |
無料 |
人数 |
- |
参加対象 |
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申し込み締切 |
2025年8月29日(金)17:00 |
備考 |
受付は終了しました