次世代教育の一環として、高校生・大学生等を対象にカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ次世代ワークショップを開催しました。
将来的な、カーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、CHANCE会員協力のもと、広島県内にある高校・高専・大学生13名を対象に、学校の枠を超えた交流や企業・研究者との対話を通じて、将来的な環境・エネルギー問題を考察し、行動していくことを目的としたワークショップ「未来ではCO2が役に立つ!?エネルギー問題解決の鍵!?カーボンリサイクルについて学ぼう」を開催しました。
■前半講義 インプット① 日本のエネルギー事情とカーボンリサイクル
世界的なエネルギー問題が課題となる昨今、日本のエネルギー事情を踏まえたエネルギーミックスが重要であるということや、新たなエネルギーの実用化に向けて様々な解決方法が検討・研究されている中で、CO2を資源として有効利用するという新しい発想である「カーボンリサイクル」について学びました。
広島県職員が日本のエネルギー事情やカーボンリサイクルについて説明。
日常生活の中で、どのようにCO2が排出されているのかや発電方法について学び、より一層日本のエネルギー事情に興味を持ったという感想が多数ありました。
■前半講義 インプット② カーボンリサイクル事例紹介
一般社団法人微細藻類技術協会(IMAT)様、CO2を固定化するコンクリートの開発を進めているランデス株式会社様より、研究内容や企業における取組をご紹介いただき、カーボンリサイクルの事例を学びました。
自分たちが住む広島県で、実証研究が行われていることに生徒の関心も高く、CO2を利用した事業に興味を持ったという生徒が多数いました。
ワークショップ終了後のアンケートでは、施設見学や企業訪問を希望する生徒が多くいたため、CHANCE会員の皆様と今後調整させていただきたいと考えています。
■後半講義 アウトプット(グループワーク)《アイデア出し~実現方法の検討》
前半講義の内容を踏まえ、株式会社ガイアックス様より、起業や商品・サービス開発の観点から講義をしていただき、有機化合物、微細藻類、コンクリートという分野の3グループに分け、ファシリテーターとともに新技術を活用した商品・サービスのアイデアを考えました。
どのグループも初めから積極的に意見を出し合い、ファシリテーターともコミュニケーションを取りながらアイデアを固めていきました。
カーボンリサイクルだけでなく、起業・商品開発という視点を持つ生徒が多く、実現に向けてより詳しく議論していました。
■後半講義 アウトプット(グループワーク) 《発表抜粋》
各グループ、それぞれ異なる分野で商品・サービス開発のアイデアを発表しました。
発表者や発表方法はグループで決め、生徒が柔軟で多様なアイデアを、自信を持ってプレゼンしていた光景が印象的でした。
■まとめ
最後に広島大学の市川教授からアイデア出しにおいては、「今できないことも明日にはできているかもしれないし、もしかしたら100年後には当たり前になっているかもしれない。だから、自由な発想を持ち続けて欲しい。」といった講評をいただきました。
生徒の皆さんからは、『二酸化炭素が身の回りのものに沢山活用できることに気づいた』『藻類の活用の先進研究拠点が広島にある事を初めて知り驚いた』『アイデアは質より量が大事で、もともと起業に興味を持っていたが、グループワークを通じて開発する楽しさと達成感があった』、などの感想・意見があり、次世代教育の価値を改めて実感いたしました。今後も、より充実させたプログラムの提供に向けて努めてまいります。
発表者や発表方法はグループで決め、生徒が柔軟で多様なアイデアを、自信を持ってプレゼンしていた光景が印象的でした。
<協力企業等>
・IMAT (一般社団法人 日本微細藻類技術協会)
・ランデス株式会社
・株式会社ガイアックス
・広島大学大学院先進理工系科学研究科 市川貴之 教授(CHANCE 会長)
受付は終了しました