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CARBON CIRCULAR ECONOMY

次世代教育

福山市立福山高等学校の2年生を対象としたカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。

将来的な、カーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、福山市立福山高等学校2年生の理系の生徒約90名を対象に、カーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。

 

●開催日   2025年11月13日(木) 11:45~12:35(前半)/13:40~14:30(後半)
●開催場所  福山市立福山高等学校

 

 

■授業風景

今回の特別授業では、前半に県から地球温暖化と二酸化炭素の関係性や、カーボンニュートラルの実現に向けて、二酸化炭素を資源として有効利用する先端技術である「カーボンリサイクル」を推進する重要性について学びました。
それを踏まえて、後半の授業では、現在広島県を中心に技術開発が進められているカーボンリサイクル技術の課題と解決策、また支援策について、グループで調べて発表を行いました。

 

 

はじめに、広島県から「二酸化炭素」に関する講義を行いました。地球温暖化のメカニズム、広島県における気温上昇や豪雨災害などの具体的な影響を示し、現在、地球温暖化がどの程度進行しているのか、グラフや表を用いて説明した後、二酸化炭素が地球上に過剰に堆積してしまっている現状に対し、二酸化炭素の排出量と森林等による吸収量のバランスを均衡にするカーボンニュートラルを目指すことが、持続可能な社会の実現に必要であると説明しました。

 

 

そして、カーボンニュートラルの実現に向けては、二酸化炭素の排出量を減らすことと吸収量を増やすことの両面から取り組む必要があり、その具体的な方法についてはそれぞれ課題もあることから、二酸化炭素を分離回収し、利用するカーボンリサイクルが注目されており、広島県はこの取組を全国に先駆けて推進していることを説明しました。さらに、広島県内で取り組まれているカーボンリサイクルの研究事例などを中心に紹介し、生徒たちはカーボンリサイクル技術が身近な製品に応用されていることに驚いている様子でした。

 

 

続いて、後半の授業では、これから技術革新がますます進むと期待されているカーボンリサイクル技術について、午前中の講義パートの中で紹介した研究事例を題材に、社会実装を進めていく中での課題や解決策、支援の方法にどのようなものがあるかを、全22グループに分かれて調べ、発表を行いました。
あるグループでは、メタネーションについて調べる中で、再生可能エネルギーから水素を製造する際のコストの高さや安定供給に課題があることに触れ、社会に普及するためには家庭でも安価に燃料を製造するために装置を小型化させる必要があることに言及しました。また、支援策としては、多くのグループがカーボンリサイクルに関する情報の周知や政府・公的機関による補助金等の研究支援が重要であると発表しました。

 

 

一連の活動を通して、生徒からは「講義を聞き具体的な研究事例や広島県に研究拠点があることなどを知ってカーボンリサイクルに興味がわいた」「最初は二酸化炭素は地球温暖化を進めるだけの不要なものだと思っていたが、様々な研究事例から資源として活用できると知って、地球にただ悪いだけのものではないんだなと思った」「カーボンリサイクル技術によって、二酸化炭素を使った製品が世の中に多く出回れば素晴らしいと思った」との感想がありました。

 

■まとめ

生徒に対し、カーボンニュートラルの実現に向けた手段の一つにカーボンリサイクルという技術があることや、その重要性を伝える貴重な機会となりました。二酸化炭素の利用価値について深く考察していた姿や、前向きな意見や感想が寄せられたことから、次世代教育の重要性を改めて実感いたしました。こうした、将来的なカーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う次世代との交流にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ事務局までご相談ください!