広島県立安芸南高等学校の1年生を対象としたカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
将来的な、カーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、広島県立安芸南高等学校の1年生全員を対象に、カーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ特別授業を開催しました。
●開催日 2025年9月25日(木)14:25~15:15
●開催場所 広島県立安芸南高等学校
■授業風景
地球温暖化と二酸化炭素の関係性や、地球における二酸化炭素の歴史や役割について説明した上で、カーボンニュートラルの実現に向けて、二酸化炭素を有価物ととらえ、回収し、利用する「カーボンリサイクル」を推進する重要性について学びました。
地球温暖化のメカニズムや、広島県における気温上昇や豪雨災害などの具体的な影響をデータや図解を用いて分かりやすく解説し、生徒たちは、地球温暖化が自分たちの生活に直結する喫緊の課題であることを学びました。そのうえで、二酸化炭素は本来は生物が活動するために必要な酸素を生成するのに不可欠で、二酸化炭素の排出量と森林等による吸収量のバランスを均衡にしてカーボンニュートラルを実現させることが持続可能な社会の実現に必要であると説明しました。
生徒は、途中「地球温暖化の原因は何?」「どのくらい温暖化しているの?」などの質問を投げかけられると、周りの人と活発に意見を交換し、考えを深めている様子でした。
そして、カーボンニュートラルの実現に際しては、二酸化炭素の排出量を減らすことと吸収量を増やすことの両面から取り組む必要があり、その具体的な方法についてはそれぞれ課題もあることから、二酸化炭素を分離回収し、利用するカーボンリサイクルが注目されていると説明しました。実際に広島県内で取り組まれているカーボンリサイクルの研究事例なども紹介し、生徒たちはカーボンリサイクル技術が身近な製品や技術に応用され、持続可能な社会の実現に貢献していることに驚いている様子でした。
特別授業を通して、生徒からは「二酸化炭素の新たな活用の仕方を知ることができ二酸化炭素も不要な資源ではないと理解することができた」「今まで二酸化炭素はなくさなければならないと思っていたが、酸素を排出することやゼロになると地球の気温がとても低くなることを知って、二酸化炭素の排出量と吸収量の差をいかに効率よくゼロにするかを考えるきっかけになった」「二酸化炭素を資源として使うのは全く思いつかないような発想だったが、広島県内にも事例がたくさんあったことを知ってびっくりした」との感想がありました。
■まとめ
生徒に対し、カーボンニュートラルの実現に向けた手段の一つにカーボンリサイクルという技術があることや、その重要性を伝える貴重な機会となりました。特別授業の終わりに多くの質問や意見をいただき、二酸化炭素の利用価値について深く考察していた姿や、前向きな意見や感想が寄せられたことから、次世代教育の重要性を改めて実感いたしました。こうした、将来的なカーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う次世代との交流にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ事務局までご相談ください!