リレーコラム

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CARBON CIRCULAR ECONOMY

Vol. 44

「中国経済連合会におけるカーボンニュートラルの取組み」

当連合会は、昭和41年10月31日に設立して以来、当地方ならびにわが国の重要問題について調査研究するとともに、中国地方経済界の公正な見解をとりまとめ、これらの実現を図り、経済の発展に寄与することを目的として活動を続けています。

 

中国地域の経済は、鉄鋼・化学などの素材型産業や自動車をはじめ機械製造産業などCO2排出量の多い産業がけん引しており、カーボンニュートラル(以下、CN)の取組みは極めて重要となっています。この取組みにあたっては、単独では解決できない難易度の高い課題も多いことから、地域一体・官民一体となって推進していくことが必要となります。

 

このため、当連合会は、2021年11月に「中国地域CN推進協議会」を設立し、幅広い業界から専門的知見を有する企業・団体(113団体、9月20日現在)の参加を得て、中国地域における低・脱炭素化の社会実装を目指した活動を行っています。

 

 

 

 

1)中国地域CN推進協議会の活動について

中国地域の企業・団体が共同して積極的にCNへの取組みを推進していくため、幅広い企業・団体への情報発信と啓発活動およびCN関連シーズや最新事例を地元企業に紹介し、中国地域における低・脱炭素化の実装促進に取組んでいます。
・CN関連の最新動向や先進事例に関するセミナー等の開催
・CN関連ノウハウに関するシーズ企業とニーズ企業のマッチング機会の創出
・CN推進に向けた政府等への要望活動の実施

 

 

2)専門部会「CN電力推進部会」について

電力のCN化は、産業界と地域社会の共通のテーマであり、また、対応すべき課題は非常に多岐にわたります。
CN電力推進部会では、再生可能エネルギー電力に関する供給側の課題、省エネ・節電・電化など需要側の課題、再エネ余剰の利活用など需給両面に渡る課題を共有し、解決に向けた方策を検討しています。
太陽光、風力、水力、潮力、バイオマスをはじめとした再生可能エネルギーの需給拡大に向けた課題を共有し、多様な事業者による再エネ投資で生み出された価値が確実に回収され、次の投資を生み出すしくみ、すなわち「価値が地域の中で循環するエコシステム」の実装を目指しています。

 

【CN電力推進部会のビジョン】

 

 

3)専門部会「CN燃料推進協議会」について

中国地方は、素材産業や化学産業を中心としたコンビナートが集積するとともに、大きな自家発電設備を備える企業も多くあり、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする2050 年CN化に向けた燃料転換が課題となっています。
このCN燃料転換を進めるためには、製造から運搬、貯蔵、需要まで幅広いサプライチェーンの再構築が求められており、地域の幅広い方々の連携が必要です。
このため、中国地域CN推進協議会は、化石燃料に代わる燃料の水素・アンモニア・合成メタン(e-methane)などについて、安定的なサプライチェーンの確立に向けて地域内の産業界および行政等が連携して取組んでいくため、2023年6月にCN燃料推進部会を設立しました。

 

【CN燃料推進部会のビジョン】

 

 

2050年CN実現には、異なる産業やバリューチェーン上の他企業との連携が重要ですので、引き続き多くの方々の参加を募りつつ、企業や業界の枠組みを超えた議論を深めることで、中国地域のCN推進と持続的な経済成長を目指した活動を進めて参ります。

著者プロフィール

谷口 雅彦(たにぐち まさひこ)

中国経済連合会 専務理事

鳥取県出身。
電気事業の経営企画、広報、環境などに従事した後、2015年中国経済連合会 理事、2016年常務理事を歴任。
2021年6月より現職に従事。