Vol. 35
「YOKOGAWAのカーボンニュートラル達成に向けた取り組み」
YOKOGAWAは、測る力とつなぐ力を通じて社会課題の解決に貢献しています。
■ サステナビリティ目標「Three goals」と6つの貢献分野
2016年に採択されたパリ協定や、持続可能な開発目標(SDGs)といった世界の動きを背景に、2050年に向けて目指す社会を、サステナビリティ目標「Three goals」として2017年に定めました。
また、Three goalsの達成と事業の成長の為の重点課題を明確にするためマテリアリティ分析を行い、その結果に基づき6つの貢献分野を設定しました。
以下、貢献分野の一つである「カーボンニュートラルの達成」に向けた取り組み事例をご紹介いたします。
事例1:コンビナートのカーボンニュートラル実現に向けた産業間連携調査
千葉県市原市五井地区の複数の事業所の協力を得て産業間連携調査を開始しました。エネルギーバランスや排出される二酸化炭素(CO2)の回収・再利用等について現状調査を行い、産業間連携によるカーボンリサイクル事業の実現可能性を調査するもので、2050年のコンビナート全体でのCO2排出量実質ゼロを目指します。本調査は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から2021年2月に受託しました。国内外の様々なコンビナートの製造領域で培ってきたプロセス知識、単独事業所のプロセス改善やエネルギー効率改善および異業種連携に関するコンサルティングノウハウ、需給に応じた最適制御を可能とする地域エネルギー・マネジメント・システム、最適な生産計画の実行を支援するシミュレーション技術など、YOKOGAWAのノウハウを結集して取り組んでいます。
産業間連携を活用したカーボンリサイクル事業のイメージ
事例2:ケニア共和国の地熱発電発展に貢献
ケニア発電公社様のオルカリア地熱発電所向けに、複数の発電所の発電出力や発電効率等の性能を遠隔統合管理するIoTシステムを導入しました。オルカリア地熱発電所は、アフリカ最大の地熱発電容量を有しています。管理事務所から最も離れた発電所は道路距離で20kmほど離れています。これまでは、点在する発電所の運転は個別に管理されており、全体を俯瞰した効果的な運転管理に課題がありました。
YOKOGAWAは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用しながら、地熱発電を含む再生可能エネルギーの発展に貢献していきます。
オルカリア地熱発電所Ⅱ
事例3:カーボンマネジメントソリューション
原料調達から廃棄・リサイクルに渡るお客様のサプライチェーン全体のGHG排出量を実績値やプロセスモデルをもとに見える化し、排出削減に貢献する「カーボンマネジメントソリューション」の事業化に取り組んでいます。現在、化学業種を中心に、複数のお客様やパートナー企業と連携しながら実証実験を進めており、事業化に向けた取り組みを加速しています。
著者プロフィール
松井 俊亮 (まつい としあき)横河電機株式会社 エネルギー&サステナビリティ事業本部 トータルソリューションビジネス開発部
2010年入社。国内EPC向け技術営業、ソリューションビジネス開発中東担当を経て2020年より現所属部署にて脱炭素ビジネス開発に従事。