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CARBON CIRCULAR ECONOMY

各種イベント・その他活動

次世代教育の一環として、高校生・高専生・大学生を対象にカーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ夏の特別プログラムを開催しました。

将来的な、カーボンリサイクル関連技術の研究・開発等を担う人材育成に向け、CHANCE会員協力のもと、2日間のイベント「CO2を資源に!?カーボン・サーキュラー・エコノミーを学ぶ 夏の特別プログラム ~カーボンリサイクル×起業~」を開催しました。カーボンリサイクルや環境事業及びそこに携わる人との交流により、参加者に「将来この分野で貢献したい」と思うようなインパクトを与えることを目的とし、2日間で延べ18人の生徒が参加しました。

 

 

 

■1日目 工場見学&特別講義

ツネイシカムテックス株式会社様、プラチナバイオ株式会社様にご協力いただき、工場見学や特別講義を通して、日本のエネルギー事情とカーボンリサイクルの現状について知り、それが社会でどのように活かされているかを体験的に学びました。

 

 

 

■プログラム① 事業紹介

ツネイシカムテックス株式会社では、産業廃棄物を単に焼却するだけではなく、新たな資源への再生や環境に配慮した焼却方法の開発、焼却時のエネルギーを利用した発電など、様々な取り組みを行っていることを紹介いただきました。その中で、ごみを燃やすときに排出されるCO2の排出量を実質的にゼロにするカーボンニュートラルを達成するためには、CO2の排出量を減らすだけではなく、CO2を資源として有効利用する「カーボンリサイクル」が重要であることを学びました。

 

 

 

■プログラム② 工場見学

その後、実際に工場の中を歩いて見学しました。普段立ち入ることのできない場所で、最新鋭の分析装置などを見ながら説明を聞くことができ、とても貴重な機会となりました。
多種多様な廃棄物を工夫して処理することで、大切な資源に変えることができることを学び、『リサイクルの重要性についてより興味を持った』という感想が多数ありました。

 

 

 

■プログラム③ 環境技術センター見学

また、環境技術センターでは、廃棄物を適切に処理するための試料分析や、工場排水の成分分析を行っている現場を視察しました。
センター内に置かれている機械や充実した研究設備を見て、生徒たちは興味津々でたくさんの質問をしていました。

 

 

 

■プログラム④ 特別講義

プラチナバイオ株式会社様より、企業紹介と、様々な分野に応用することで社会課題の解決に期待が寄せられているゲノム解析・編集技術について、講演いただきました。

 

 

 

ゲノムを読み取るために使う「シーケンサー」と呼ばれる機械を持参してゲノム解析を実演いただき、読み取ったデータが画面に表示されると、生徒たちは歓声を上げていました。
ゲノム解析技術が、カーボンリサイクル分野に応用されていることを体験的に知ることができました。

 

 

 

1日目終了後のアンケートでは、『実際の施設見学を通して、専攻分野の電気や機械技術が社会においてどのように活かされているかを体験的に知り、視野を広げることができた』『カーボンリサイクルは、資源の循環により現在の地球環境をよい方向に変えることのできる技術であると理解できた』との前向きなコメントが見られました。

 

 

 

■2日目 CEO座談会

広島県にゆかりのある3名のCEO(株式会社アルガルバイオ CEO 木村 周 様、SyncMOF株式会社 CEO 畠岡 潤一 様、プラチナバイオ株式会社 CEO 奥原 啓輔 様)をお招きし、生徒と同じ目線に立って自由に意見交換をしていただきました。

 

 

 

■プログラム① CEOによるプレゼン

独自の技術をもって会社を立ち上げた新進気鋭の起業家に、カーボンリサイクル技術に関わる研究内容だけでなく、「海外」「起業」という視点からも話をしていただきました。

 

 

 

藻類やDAC、ゲノム編集など異なるアプローチからのカーボンリサイクルに向けた取り組み紹介や、CEO自身のキャリアパス、次世代を担う若者に伝えたいメッセージなどをお話いただき、生徒たちは時折メモをとりながら、熱心にCEOの話に耳を傾けていました。

 

 

 

■プログラム② 座談会

一般社団法人まなびのみなと様にファシリテーターとして参加いただき、CEOも一緒になってアイスブレイクを行いました。最初は緊張している様子の生徒もいましたが、ゲーム形式で次第に表情も柔らかくなり、CEOや他校の生徒と打ち解けることができました。

 

 

 

その後、座談会に移ると終始和やかな雰囲気で、生徒たちは積極的にCEOに対して質問していました。カーボンリサイクルに関する質問だけではなく、CEO自身の家族の話や好きなもの、将来のキャリアについてなど、フランクに多種多様な質問をしている姿が印象的でした。

 

 

 

2日目終了後のアンケートでは、『人とのつながりや決断力、行動力が大切なことがわかった』や、『将来について考えていなかったが、カーボンリサイクルのような地球の未来につながることを仕事にしたいと思うようになった』といった意見が多く、生徒の将来設計に良い影響を与える貴重な機会となりました。
また、座談会終了後も、聞き足りないことをCEOに個別で質問しにいく様子も見られたほか、自身の関心分野にマッチしており連携を希望する生徒もいたため、今後個別にフォローしていきたいと考えております。

 

 

 

■まとめ

2日間のプログラムを通して、生徒たちは、企業における課題解決方法を実際に見て、世界的に直面するエネルギー問題を体験的に学び、CO2を使った最先端の技術を持つ企業のCEOと直接触れて話し合うことで、未来社会への貢献が期待される「カーボンリサイクル」や「キャリアパス」について理解を深めることができました。
生徒の皆さんからは、『CO2を使って新しい資源を作ることができるカーボンリサイクルは、とても良い取り組みだと思った』『カーボンリサイクルについて最初は知らなかったが、話を聞いて実際に体験することで、興味を持つようになった』『CEOの話を聞き、もともと研究していた藻類について、より知りたいと考えるようになった』、などの感想・意見がありました。今後も、より充実させたプログラムの提供に向けて努めてまいります。

 

 

 

 

 

<協力企業等>
・ツネイシカムテックス株式会社
・プラチナバイオ株式会社
・株式会社アルガルバイオ
・SyncMOF株式会社
・一般社団法人まなびのみなと