リレーコラム

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CARBON CIRCULAR ECONOMY

Vol. 47

「微生物発酵技術を活用したマイクロバイオファクトリーの脱炭素への取り組み」

マイクロバイオファクトリー(株)は2018年に設立した微生物発酵関連のバイオベンチャーです。当社では、化石資源に依存しないものづくりをするために、再生可能な植物バイオマス資源を原料に微生物発酵で化学品を生産する技術開発を行っています。従来化学品は化石資源を原料に製造されます。化石資源は採掘量が限られた枯渇資源であること、化石資源からの化学品製造においては多くの二酸化炭素を排出するなど環境負荷が高いと言われています。世界では環境問題への関心の高まりから化石資源に依存しない化学品製造が求められています。そこで当社は化石資源に依存せずに、再生可能な植物バイオマス資源を原料に化学品を生産する取り組みを行います。
植物バイオマス資源は成長時に二酸化炭素を吸収することからカーボンニュートラルな原料と言われています。また、植物は一度伐採されても、再び成長することから化石資源のような枯渇資源でないという特長を有しています。このような特長がある植物バイオマス資源を原料に活用して、微生物発酵で化学品を生産する技術開発を実施しています。植物バイオマス由来の糖を微生物に与えることで様々な化学品に変換していきます。微生物を与えた糖から目的の化合物を生産するよう人工的に遺伝子改変を行い、発酵で化学品を生産します。現在は①ヒドロキシチロソール、②インジゴ、③cis, cis-ムコン酸の3種類の化合物を発酵生産することに取り組んでいます。各化合物について説明します。

 

 

 

① ヒドロキシチロソール
自然界ではオリーブに含まれる抗酸化機能を有する機能性成分です。化粧品原料として開発を進めています。

 

② インジゴ
主にジーンズに利用される青色染料です。インジゴ染料は化石資源由来の化合物から化学合成で製造されるのが主流ですが、合成インジゴの代替品を目指した開発を進めています。

 

cis, cis-ムコン酸
アジピン酸やヘキサンジオールの原料として利用が期待できます。アジピン酸からはナイロン6,6が、ヘキサンジオールからはウレタンが製造されます。ナイロンやウレタン等の汎用的な樹脂原料としての活用を目指して開発を進めています。

 

 

 

 

バイオ由来の化学品はサステナビリティの観点から益々需要が伸びていくと考えています。市場需要に応えられるよう適切なプロセス、コストでの事業化を目指していきます。

著者プロフィール

清水 雅士(しみず まさし)
マイクロバイオファクトリー株式会社 代表取締役
岐阜県出身。

2013年東京理科大学大学院修了(工学修士)。
2014年バイオベンチャーにてバイオリファイナリーに関する研究開発に従事。
2018年バイオベンチャー退職後、現職。