Vol. 39
「循環型社会への転換を目指した取り組み」
サーキュラーエコノミーという概念がEUによって公表されたのは、2015年(平成27年)ですが、当機構では、平成17年の発足当初から一貫して資源循環を通じて、持続可能な社会を構築することを目指して活動を行っています。カーボンも含め様々な資源は、不要なものとして社会の枠外にでてしまうと価値あるものから環境に負荷を与えるやっかいなものに変わってしまいます。一度社会に取り込んだ資源は、社会の中で循環利用することが、資源の枯渇、気候変動、プラスチックによる海洋汚染、廃棄物処分場の不足など一見すると別々に思える問題を根本的に解決する解になると考えます。当機構には、同じ志を持つ広島県内の企業、大学等の教育・研究機関、公設の試験・研究機関などが参画し、以下に示す事業を展開しています。是非、皆様にも当機構に参画していただき、協力して資源循環、循環型社会の構築に取り組めたらと思います。
http://jyunkan.starfree.jp/index.html
1) 循環型社会形成推進技術研究開発事業
当機構が提供する資金を活用して、広島県内大学等と企業が共同で取り組みます。研究課題については、資源循環に取り組もうとする産業界や大学等から広く募集しますが、特に企業からの提案に対しては、当機構がその提案研究の遂行に最適な大学等の研究者を紹介し、共同研究として実施するところに大きな特徴があります。毎年15件前後の課題に取り組んでいます。
2) 事業者・技術者向けの教育事業
「エコビジネス振興のための人材育成講座」を実施し、昨年度からは関心の高いSDGsに関して、「SDGs資源循環セミナー」もスタートし、技術開発だけでなく、人づくりにも取り組んでいます。
3) 講演会事業
循環型社会形成に寄与する先進的な研究や事業・活動を行っておられる大学・国等の研究機関に所属する研究者、事業者などを全国から講師としてお招きして講演会を開催しています。
4) インターンシップ事業
夏休みなどを利用して、県内の大学に所属する大学生を関連する会員企業へ体験入社してもらうインターンシップ事業を行っています。
著者プロフィール
特定非営利活動法人広島循環型社会推進機構理事長 西嶋 渉
広島大学環境安全センター長・教授
専門は、環境工学であり、水処理、廃棄物処理・管理、海域生態系評価・管理などの研究に取り組んでいる。日本水環境学会会長、広島県環境審議会会長、広島市環境審議会会長、東広島市環境審議会会長など。