Vol. 32
「地元企業へのカーボンニュートラルの提案」
株式会社メタルワン西日本は2003年に三菱商事・日商岩井(現・双日)の鉄鋼製品部門が統合し設立した鉄鋼総合商社である株式会社メタルワンの地域法人として2003年に発足しました。設立以来、鉄鋼製品を中心に地域密着型営業を展開しています。弊社では鉄鋼製品の主要仕入先になる鉄鋼メーカーが瀬戸内沿岸に多数立地していることもあり、鋼材だけでなく鉄鋼メーカー向けに機械関連製品の取扱いも行ってきました。付加価値の高い新たな提案やサービスの提供により、鉄鋼流通及び地元企業の発展に寄与すべく、2022年4月に機械関連部署を一部集約し機材開発部が活動を開始しました。地元企業及び、県内に工場を有する企業を中心に、取引先のニーズを迅速・的確に捉え、既存の概念に捕らわれない新事業・新商品の提案を行っています。
カーボンニュートラルへの取組みとして、これまでは太陽光発電向けのスチール製架台、消費電力を削減するLED照明、高耐食性メッキ鋼板の販売等、間接的な取扱いが中心になっておりましたが、現在、親会社のメタルワンが共同開発を行っている二酸化炭素の分離回収・再利用、低温排熱バイナリー発電システムを地元企業に展開すべく、積極的に検討を行っています。
二酸化炭素の分離回収・再利用
工業炉から発生する二酸化炭素を回収・分離した後の、燃料化・吸着技術の構築により、炭素や炭酸カルシウムとして再利用が可能な技術を鉄鋼業界で活用するべく検討を進めております。既存設備を活用した低コスト・低負荷な装置の開発を進め、実証実験を開始しております。
低温排熱バイナリー発電
工場で発生する高温排熱は再利用されていますが、産業界で発生する200℃未満の未利用排熱は76%にのぼります。この度メタルワンではベンチャー企業のダ・ビンチ社と協力し、工業炉等から発生する200℃未満の低温排熱を回収し発電するシステムを構築しました。工場から排出される熱を再利用することで、既存のCO2を使用した電力からの切り替えを狙います。配管加工等の鋼材部分についてはメタルワングループのネットワークを活用してコストダウンを図り実証実験開始に向け準備を進めています。
地域法人として地元企業が取組むカーボンニュートラルに対し、貢献して参ります。
著者プロフィール
東 孝博株式会社メタルワン西日本
機材開発部 部長代行
入社後、鉄鋼製品営業に従事し、2015年から機材関連取引を兼務
2022年より現職。