Vol. 25
「東京海上日動 カーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に向けた取組み」
1.はじめに
地球温暖化・気候変動を背景に、世界各国で脱炭素化に向けた動きが加速する中、政府は温暖化への対応を成長の機会と捉え、2020年12月に「グリーン成長戦略」を公表するなど、今後あらゆる産業で低炭素化、脱炭素化に向けた取組の進展が見込まれています。
弊社においても、地球温暖化・気候変動という重大な社会課題の解決に向けて、再生可能エネルギー向けの商品の提供やリスクコンサルティングを実施してまいりました。具体的には、2020年3月に、洋上風力発電事業のリスクを包括的に補償する専用パッケージ保険を開発しております。また、同年6月に、弊社グループの米国HCC International Holdings,Inc.社を通じて再生可能エネルギー事業向けの保険引受を行う保険総代理店GCube社を買収し、同社のノウハウの活用を推進してきました。さらには、当社グループ会社である東京海上ディーアール社が、独自の自然災害リスク評価モデルや再生可能エネルギーの専門人材などを活用し、洋上風力発電等の様々な領域におけるコンサルティングをお客様に提供してきました。
2.タスクフォースの設置
弊社はあらゆる産業、地域のカーボンニュートラル実現・脱炭素社会への移行(グリーン・トランスフォーメーション、GX)に向けた取組みを支援することを目的として、2021年2月1日に、保険の開発・提供やリスクコンサルティングを通して、お客様のカーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に向けた取り組みを支援し、産業の成長・発展に貢献することを目指す、「グリーン・トランスフォーメーション タスクフォース(GXTF)」を設置いたしました。
地球温暖化・気候変動への対応の重要性が増す中、東京海上グループ全体で培ってきた英知を結集し、幅広いお客様に寄り添った支援を進めて参ります。
3.弊社が取り組む意義
東京海上グループは、グローバルに活動する保険会社として、国内および国際的イニシアティブを支援し、気候変動を含めた環境への課題解決に向けてリーダーシップを発揮できるように努めています。2008年の立ち上げ以来、ジュネーブ協会の気候変動イニシアティブ(現在は、気候変動と新たな環境課題プロジェクト)の共同議長を務めており、気候変動を経営戦略やリスク管理に組み込もうとする保険業界をグローバルに支援しています。また、東京海上ホールディングスは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の創設時のメンバーかつTCFDの署名企業であり、情報開示を通じてTCFD提言への支持をしています。
4.取組み重点領域
取組みにおける重点領域を定め、グループごとの課題解決を進めると共に源泉となるグループ力も強化して参ります。
5.具体的な取組みについて
・経済産業省「GXリーグ基本構想」への賛同
(https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/220401_01.pdf)
・Net-Zero Insurance Alliance (NZIA) への加盟
(https://www.tokiomarinehd.com/release_topics/release/l6guv3000000dpm6-att/20220119_j.pdf)
・「太陽光PPA事業者向けパッケージ保険」の提供開始
(https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/210902_02.pdf)
・「太陽光発電向け M&Aパッケージプラン」の提供開始
(https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/210909_01.pdf)
・【業界初】太陽光発電事業者向けの新たな保険制度の新設 ~太陽光発電設備の廃棄費用や賠償リスクを補償する新商品を発売
(https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/210902_02.pdf)
以上、弊社のカーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に向けたお取組みについてご紹介させて頂きました。皆様のカーボンニュートラルへの取組みの一助となれば幸いです。
著者プロフィール
松浦 基史(まつら もとふみ)東京海上日動火災保険株式会社 広島支店 担当課長
東京都出身。2004年入社。
これまで主に営業部門として、食品業界・製薬業界、金融機関・地域行政のリスクマネジメント業務に従事する。
2020年より現職。