Vol. 12
「ランデス株式会社のCO₂-SUICOMの取り組みについて」
環境配慮型コンクリート「CO₂-SUICOM」は、中国電力株式会社(本社:広島県広島市)、鹿島建設株式会社(本社:東京都港区)、デンカ株式会社(本社:東京都中央区)により開発された技術です。
ランデスは、経済産業省公募事業「平成26年度二酸化炭素回収・貯蔵実証総合推進事業補助金(二酸化炭素固定化・有効利用技術実証支援事業)」より参画し、開発・実証実験に取り組んでいます。
CO₂-SUICOM®は以下2つの技術から成り立っています。これらの技術を組み合わせることで、コンクリート製造時におけるCO₂排出量をゼロ以下にできます。
1.セメント使用量を大幅に削減し、CO₂排出量を低減
コンクリートの主な構成材料であるセメントの代替材料として、化学工場からでる副生消石灰を原料とする特殊混和材※1、石炭灰※2、その他の産業副産物を利用することで、セメント使用量を大幅に低減します。
※1 特殊混和材:炭酸イオンと反応することで組織を緻密化させるγ-2Cao・SiO₂を利用しています。
※2 石炭灰:石炭火力発電所から排出される石炭灰です。
2.コンクリート製造時に大量のCO₂を吸収・固定
特殊混和材はCO₂と接触するとCO₂を吸収(炭酸化反応)して硬化し、コンクリートを硬化・緻密化させる性質を持っています。この性質を利用し、特殊混和材を用いたコンクリートにCO₂が含まれる排気ガスを接触させ、強制的に吸収・反応させて養生します。これを炭酸化養生※3と言います。これにより大量のCO₂をコンクリート中に吸収させることが可能です。
※3 炭酸化養生:排気ガスを炭酸化養生システムに吹き込み、排気ガス中のCO₂をコンクリートに固定させます。
CO₂-SUICOMの広島県内採用実績
広島駅北口(エキキターレ北側)の歩道部とエントランスアプローチ部にCO₂-SUICOMの舗装ブロックが使用されています。
最後にランデス(株)は、スイコムメンバーと共に将来、広島県内から分離回収されたCO₂をコンクリートに閉じ込め、広島県内のカーボンリサイクルに貢献出来る様、今後コストの低減・品質の向上に努めていきます。
著者プロフィール
中村 稔ランデス株式会社 営業本部 常務執行役員
昭和59年入社。製造部久米工場、西原工場、建部工場を経て,平成3年より広島営業
所に転勤。現在に至る。